三日目① 恐れていた事態 @メンフィス(テネシー州)
三日目朝、モーテルで目覚める。
安いモーテルでも結構熟睡できる。
筋肉痛はあまり感じないが、日焼けが痛い。
顔が日に焼けてボロボロになっている。
昨晩、日焼け止めを買ったので少しはマシになるだろう。
さて、タバコでも吸うかとモーテルの部屋を出た。
私が泊まっていた部屋は珍しく3階。
廊下から駐車場が見下ろせる。
何気なく、自分が昨晩バイクを止めた方向を見る。
が、バイクが見つからない。
いや、バイクはあった。
記憶通りの形で置かれていなかったので、見つけられなかったのだ。
こ、こけてますやん!!
一瞬、背筋に緊張が走った。
だが思ったより冷静な自分が居た。
駐車場に下りようと階段へ向かう途中、一つの部屋からアメリカ人が登場。
彼もタバコを吸おうとしたようである。
僕を見つけた彼が「おはよ・・・」と言おうとした瞬間、「俺のバイクが倒されてる!」とまくし立てる。
冷静な訳が無かった。。。
彼は「俺は触ってないよ。」と言ってたが耳に入ってくるはずも無い。
1階に降り、バイクに近寄って見ると、スタンドとは反対側に倒れている。
どうやら自然に倒れたわけではなさそうだ。
てゆーか誰か倒したやろ、コレ!!
ガソリンがこぼれているらしく、ガソリンの匂いが漂っていた。
とにかくバイクを起こす。重い。
膝を入れると簡単に起き上がった。
こういう時のためにも883にしておいて良かったという自虐ネタを披露。
改めてバイクを確認。
ブレーキレバーが曲がり、右側のグリップがスロットルにめり込んでいる。
あとはマフラーの下部分と右側のサイドミラー、ステップに傷が。
幸いにもタンクは無傷。ガソリンは傾いていた給油口から漏れたようだ。
一度、エンジンを掛けて見る。
幸か不幸か、エンジンは掛かる!
スロットルを開けると、グリップがめり込んでいる為に開けたスロットルが戻ってこない。
しかしなんとか走れそうだ。
タンクに付いたガソリンをタオルで拭き、部屋に戻る。
走れるとは言え、借りたバイク。
「来た時よりも美しく」、「借りた時より美しく」が日本人の美徳。
已む無くGoogle先生にバイク屋の場所を教えて頂く。
世界各国どこにいてもGoogle先生は迷える子羊を導いて下さるのだ。
ブレーキレバーの在庫がある可能性が高いと、ハーレーのディーラーを探す。
できれば今日のルートの途中にあるところを。。。
こんな状況でも時間をロスしたくなかった。
するとMemphisから約160マイル先のConwayという街の高速沿いにディーラーを発見。
修理もやっている様子。
モーテルのおばちゃんに事情を話し、慰められながら出発。
内心、お前らが監視してたら良かったんちゃうんけ!!と思うが後の祭り。
悪いのは倒した奴で、おばちゃんではない。
ブレーキレバーが曲がったお陰で、手にフィットする様になった!
戻らないスロットルは自前のクルーズコントロールだ!
と、プラスに考えるも、本心では全くそう思わない。。。。
モーテルの隣のガソリンスタンドでこぼれたガソリンを給油。
テンション最悪の状態で三日目スタート。
今日の目標は約450マイル先のOklahoma City。